この記事では、元祖ミニマリスト・スナフキンの持ち物を通して、毎日をシンプルに生きるヒントをお伝えします。
現在、多拠点生活6ヶ月目の新人アドレスホッパー、かっぱです。スーツケースとリュックに全部を詰め込んで旅を続ける生活にもだいぶ慣れました。
スナフキンはこんな人
スナフキンはムーミンシリーズに出てくる旅人です。
自由と孤独を愛する、グリーンのスモックにグリーンの帽子、ついでにボトムもグリーンのマジでグリーンな男。
彼は毎年春から夏をムーミン谷で過ごしますが、夏が来ればどんなにムーミンが寂しくて涙目になろうが問答無用で旅に出る、惚れたら不幸になりそうな人です。
スナフキンは元祖ミニマリスト?
ミニマリストとは? ※コトバンクより
持ち物をできるだけ減らし、必要最小限の物だけで暮らす人。自分にとって本当に必要な物だけを持つことでかえって豊かに生きられるという考え方で、大量生産・大量消費の現代社会において、新しく生まれたライフスタイルである。
少ない荷物で旅から旅へと渡り歩くスナフキン。自分にとって大切なものを知っている彼は、元祖ミニマリストと言えるかもしれません。
わたしも二十代の終わりからモノを減らし始め、身軽になったあたりから、長い旅に出たいと考えるようになったので、ミニマリストと旅は地続きなんだと思います。
スナフキンの持ち物12アイテム
ムーミンの世界は、「マットレスを使わずに地べたに横になる」などのストロングスタイルなので、このアイテム紹介もあまり現実の参考にはなりませんが、意外と重要なことが詰まっています。
リュック
旅人といえばリュック。スナフキンも当然リュックを背負って旅に出ます。そして、このリュックは、寝るときには枕の代わりにもなるのです。(枕よりもマットレスが必要じゃないのか、と思うのは野暮です)
テント
スナフキンは野営が基本。ムーミン谷に滞在する際も、決してムーミン屋敷で寝泊まりはしません。このテントは、実質、彼の家です。
毛布
敷き布団はなくても掛け布団はいるのか。そうか。
釣り道具(バケツも)
ムーミンの世界にはスーパーマーケットなんかありませんから、食料は自力で調達です。
そういえば、アドレスホッパー生活で出会った方々は、なぜか釣り人が多かったです。伊豆にいたときは毎晩、釣ってきてくれたお魚が食卓にのぼって、なんてメルヘンな生活だろうと感動しました。
鍋
唯一の調理道具? 確かに、深手のお鍋がひとつあれば、煮る・焼く・炒める・揚げる、なんでもいけますもんね。
食器
コップ、お皿、スプーン。厳選されています。
コーヒーポット
スナフキンは、フィルターで抽出するタイプではなく、沸かしたお湯に直接豆を入れるタイプのコーヒーを飲んでいるようです。豆がポットの底へ沈むのを待ってから、静かに注いで飲むらしい。
多拠点生活で出会う方々は、なぜかコーヒー好きが多いです。皆さん、簡易フィルターやミル、カップなどを持ち歩いて旅をしていました。
ハーモニカ
旅には音楽が必要です。
巾着
小旅行の際に使う模様。
ランタン
明かりだって自前。
ロープ
主にテントを張る際に使っているようですが、時には命綱、時には筏(いかだ)を固定するなど、何役もこなします。
ナイフ
切れ味の良いナイフ。確かに必要です。
持ち物で分かる「人生の優先順位」
スナフキンの持ち物を見ていて、面白いなと思うのが、「ハーモニカ」と「コーヒーポット」です。
他のアイテムは、別にスナフキンじゃなくても旅に必要だなと思うけど、このふたつからは、彼の大切にしている価値観がうかがえます。
音楽と、ゆっくりコーヒーを味わうこと。
アドレスホッパー生活をしていると、どうしても移動が多くなるので、荷物を厳選させる必要があります。荷物が重いと、なぜか心まで暗くなることを知りました。
何でもかんでも持っていくことはできません。少しでも、必要ないなと思ったら、ためらいなく置いてくることが大切です。
逆に、他の人だったら置いていくかもしれないけど、自分は絶対に持って行きたいモノはなにか? が分かります。
2024年の春、旅に出る前のパッキングを通して改めて、「自分は何を大切にしたい人間なのか」が分かりました。
わたしが絶対に旅に持って行きたかったモノ。卓上カレンダー、羊のお供。
そして、愉快な靴下。
あとは、下着が数組、Tシャツが3枚、デニム1本、ワンピース1枚、PC、スマホ、お財布、歯ブラシ、タオル、ナッツに干し葡萄……持ち物はそれくらいです。
旅を始める前は、こんなに少ない持ち物で果たして途中で困らないかしら……と心配でしたが、全く問題ありませんでした。
むしろ、大切にしているものだけに囲まれているせいか、毎日、とても穏やかな気持ちです。
リュックひとつで旅に出るとしたらなにを持っていくか?
こう考えてみたら、案外、スナフキンのようにシンプルに生きられるかもしれません。
大切なものだけに囲まれた生活は、静かで身が詰まっています。
余談ですが、二十代の頃、飲み屋でトイレから出た直後のおじさんに、「キミ、顔がスナフキンに似てるね!」と叫ばれて以来、スナフキンは他人のような気がしません。
バカバカしい理由ですが、アドレスホッパー生活に興味が湧いたのも、なんとなく「スナフキン」のことが頭にあったせいです。
今後も、スナフキン先輩の背中を追うべく、しばらく旅を続けたいと思います。