アドレスホッパー歴8ヶ月目のアラフォー独身女性・かっぱです。(※2024/11/14現在)
今年の残暑も厳しかったですね……9月も終わりにさしかかった頃、ようやく涼しくなったので、新橋から日本橋までひとりで散歩してきました。
今回のお散歩
お散歩エリア:新橋・銀座・築地・日本橋
スタート:11:30
ゴール:16:00
所要時間:4時間半
歩数:8616歩
●新橋駅「井川遥の角ハイ」前からスタート
さて、こちら新橋駅、時刻は午前11時半。残暑も和らぎ、お散歩日和。井川遥が優しく微笑む大看板の前からお散スタートです。
ちなみに、井川看板は汐留口。目的地までは反対の烏森口から行くのが正解でした。
なんて爽やかな陽気
●新橋 鳥割烹「末げん」親子丼ランチ
新橋駅から徒歩5分で目当てのお店に到着。鳥割烹・「末げん」です。
三島由紀夫がひいきにしていたお店だそうで、前から一度来てみたかった!
開店直後の到着にも関わらず、団体さんがいるとかで提供まで30分ほどかかるそう。景気のいい話です。喜んで待つわ。
ひき肉の親子丼? 珍しい。せっかくだからこの「かま定食」をいただくことにしました。
ゆるゆるの卵に優しい甘さのひき肉。お昼は軽めに食べたい年ごろなので、大変ちょうど良かったです。
「お腹がいっぱいになり過ぎなくて嬉しい」なんて、いつからこの気持ち芽生えたのかしら。悔しい。末げんの親子丼は中年のわたしでもペロリでした。ごちそうさまでした。
お店を出て銀座方面へぶらぶら。風に揺れる柳がいいですね。
銀座は歩いているだけでワクワクする街です。建物の色と線、歩く人のまとう空気も、なんだかいい。
●銀座 偶然見つけた素敵なクラフトショップ「ichi」
気になるお店を発見しました。一見カフェっぽいけど、どうやらクラフトショップのようです。
ワークショップもやっていて、棕櫚(シュロ)の木の皮で箒を作ったりもするんですって。へぇ!面白い!
布、木、鉄などのそれぞれのプロフェッショナルが集まって、全部で6店舗を運営しているそうです。
対応してくれたお姉さんは見習いの職人さんで、修行の一環で店頭にも立っているんです、とのこと。ショートが似合う可愛くてスタイリッシュな方でした。
オリジナル品のオーダーが多く、結婚指輪などもよく手がけています、だそう。素敵だなぁ。
お姉さんが可愛い手作りガチャを持ってきてくれました。
一回1,000円、オリジナルコインを入れて、回します。
わお、ソーイングセットだ! こりゃ可愛い。それ当たりですよ〜と、お姉さん。うまいんだから、あーた、もう!
・やっぱりアガる「歌舞伎座」
クラフトショップから10分ほど歩くと、歌舞伎座に到着。
今日は休館でしたが、前に立つだけでドキドキです。
お高いイメージがあるけど、席によってはとてもリーズナブル。
歌舞伎座の歴史
●築地 外国人観光客でごった返す「築地場外市場」
築地に到着です。
もちろん、外国人観光客で大賑わいでした。もう、聞こえてくる言葉の多彩なこと。お耳の中が万国博覧会。
氷の上には海鮮がずらり。築地ですなぁ。ホルモンで有名なきつねやは昼の早い段階で早々と店じまいでした。
・海苔を買う「伊藤海苔店」
せっかくなので、自分へのお土産に「伊藤海苔店」さんで海苔を買いました。
味見させてもらいました。厚みがあって、パリンと歯切れが良く、口溶けと香りも良い!
食べる時は、ギリギリまで袋から出さないで、食べる寸前に出してくださいね、とのこと。
この海苔はおにぎりなどにしてなじませるより、パリパリ感を楽しむのがグッドだそうです。
お買い物の時のこういう一言って、非常に沁みます。おセンキューベラマッチャ。
・残暑に負けて抹茶ドリンク「築地 ボン・マルシェ デリ&バル」
9月も終わりというのに、日中の暑さはまだまだ侮れません。抹茶ドリンクをいただきました。
お買い上げのお客さま専用の休憩スペースもあるから、ゆっくり涼むことができました。生き返る。
さて、築地から日本橋へはちょっと長めの30分。のんびり歩きます。
東京という街の魅力はやっぱり歩くのが楽しい点だと思います。気がつくと10,000歩なんてことはザラで、だからどうせ楽しいのだから歩いてしまおうという気にもなる。運動にもなり、目も楽しく、とてもいいです。
途中、たくさんの橋を渡りました。水が満々と張った川って、少し怖いです。昔の怪談の怖さかしら。
●日本橋 良い時間「ミュゼ浜口陽三 ヤマサコレクション」
そうこうしているうちに、着きました。ミュゼ浜口陽三 ヤマサコレクション。
浜口陽三さんは、1909年にヤマサ醤油株式会社の先先代の社長の元に、三男として生まれた銅版画家です。
17世紀にオランダで発明された黒の濃淡を掘り加減で表現する「メゾチント」。これをさらに進めた、黄・赤・青・黒の版を刷り重ねてあらゆる色を生み出す「カラーメゾチント」で、豊かな作品を多くこの世に送り出しています。
有名なさくらんぼモチーフの作品(撮影O K)
メゾチントを体験できるコーナーもありました。この無数の細い線を重ねて作品ができるのね。道具を左右に揺り動かして彫った跡は、確かに無数の糸のような線がキラキラ光って、飴細工のようにも見えます。
受付前のミュージアムショップ。思わずハガキを何枚も買ってしまいました。とてもクセになる色と形です。
カラーメゾチントの刷り体験ができるコーナーもありました。参加できる芸術ってワクワクします。
昔、大学時代の講義で「真に芸術を味わいたいなら君も手を動かせ」と教えられたことを思い出します。20年以上経っても忘れられません。
コロナ前はとても賑わっていたという喫茶コーナー。今は、好きなカプセルを選んで気軽にお茶ができるシンプルなスペースに代わっています。
作品を見たあとこの空間でひと息ついて、なにか考え事をする時間は必要だなと思いました。
美術館という場所がいい点はいくつかあります。ひとつ、スマホが使えないところ、ふたつ、黙っていることが許されるところ。自然と時の流れが遅くなって、ホッとします。
館内は広すぎず、しっとり暗くて、作品数もちょうどいい量。じっくり五感を働かせながらひとつひとつの作品とマンツーになれました。
闇に浮かび上がる果物は、なんだか記憶のそれのように見えました。
ポカっと急に記憶の底から、なんというわけじゃない過去のある日に見たものが浮かび上がって、想いを馳せる前にまた沈む、あの感じです。
じっと目を凝らしていたら奥から鮮やかな色が突然浮かび上がってきた、その瞬間に出くわした、というのが作品を前にした感想です。ハッ、と胸を衝かれる心地がします。
色の下に、この黒があるおかげで、こころ静かに色と向き合えるのだろうなと思いました。ため息のような、つぶやきのような、作品群でした。
この美術館、また来たいな。
休館日 月曜(祝日の場合は翌日)
年末年始、夏期、展示替え及び特別整理期間
TEL 03-3665-0251
・カッコいいケーキとお茶「オクシタニアル」
浜口陽三ミュージアムから徒歩5分。前から来てみたかったケーキ屋さんへ。
昔、「マツコの知らない世界」でマツコさんをイメージしたオリジナルケーキを作ったお店でもあります。
全てのケーキが基本円形で、その上に趣向を凝らした色んなデザイン。統一感がある上に大変美しい!
店内でお茶もできます。
美味しい果物って美味しい、という脳みそ小さじ一杯分の感想しか出てきませんでした。だって、残暑の疲れた身体にケーキとアイスティーが沁みてしょうがなかったのよ……
9月末ということもあり、並ぶお菓子もウィンドウもはハロウィン仕様。かわゆいな。
そんなわけで、充実の秋の東京散歩でした。
長距離の散歩が全く苦にならないのが東京のいいところだと改めて感じました。いやー、満喫した。
次はどこを歩こうかしら。